ビデオ・リフレクションによる子ども理解

書誌事項

タイトル別名
  • Video Reflection to Understand Children’s Emotions

抄録

本研究では、保育経験1年の新人保育士10 名と保育経験5年以上10 年以下の中堅保育士10 名の合計20 名の保育士の砂遊びの様子を撮影し、被験者である各保育士に自身の砂遊びの様子が撮影された10 分間のビデオを2回連続して視聴してもらい、自由記述形式で省察してもらった。自由記述の内容を、子どもの「内面」、子どもの「外面」、保育者の「反省」、保育士の行動や周辺環境の「状況」の4つに分類した上で、分散分析を行なった。その結果、「内面」と「外面」については、1回目よりも2回目の記述の方が有意に増加(p<.01)し、「反省」については有意に減少(p<.05)した。「状況」については、回数による有意な差はなかった。このことから、保育士は1回目の省察においては、自身の保育に対する反省面に着眼点を持ち、2回目には子どもに着眼点を持つことが明らかとなった。また、保育経験年数による有意な差は見られなかったものの、新人保育士は1回目の視聴では自身に対する反省を記述し、2回目の視聴では子どもの内面と外面について記述する傾向がある一方で、中堅保育士は一回目の視聴では状況について記述し、二回目の視聴では子どもの内面と外面について記述する傾向があったことから、新人保育士は自身の保育の改善点を探り、中堅保育士は環境の改善点を探ることが示唆された。

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