長期介在気道異物に対して外科的切除を行った1例

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  • A Case of Surgical Resection for a Long-standing Foreign Body in the Airway

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抄録

<p>背景.長期介在気道異物の報告例の多くは無症状とされるが,経過中に症状を生じることがある.症例.75歳男性.前医でX-9年の健診での胸部X線写真で右下肺野に金属を疑う異物が認められた.無症状であったため,患者の希望により経過観察となった.X-2年のCTで少量の右胸水を指摘された.X年のCTで周囲に陰影を伴い咳嗽が出現したため,当科へ紹介された.気管支鏡所見は右B10の入口部に易出血性で肉芽様の組織を認めたが,異物を確認できなかった.そのため,異物と周囲の陰影を含めた切除のため右肺下葉切除術を行った.病理所見は異物の陥入部から末梢の肺実質には高度の線維化および形質細胞とリンパ球の集簇を認め,閉塞性肺炎に器質化を伴った像であった.結論.長期介在気道異物において周囲に陰影を伴っており,悪性疾患が否定できない場合,外科的切除を検討する必要があると考える.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 44 (3), 216-220, 2022-05-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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