近現代日本の議会傍聴

書誌事項

タイトル別名
  • Public Observation of Diet Sessions in Japan:
  • From the Meiji Era to the Present Day
  • ―帝国議会開設から現在まで

抄録

<p>本稿は、戦前・戦後を通じた日本の議会傍聴について、その実態を明らかにした上で公開性と権力監視という観点から意義を考察するものである。その結果、以下のことが明らかとなった。1) 戦前の傍聴人数は長期的に増加し、1日平均で衆議院844人、貴族院351人であったが、戦後はテレビ中継の開始などから減少し、近年は衆議院200人、参議院100人程度の水準である。2000年代以降、インターネット中継とそのアーカイブにより時間や場所を問わずに傍聴が可能になったことで情報の流通度が高まっている。2) 女性の傍聴に関しては、大正期からの女性参政権運動で要請対象になった貴族院の女性比率が高く、戦後は両院とも長く低迷したが、近年は女性の記者・公務員が増えたことで比率が高まっている。3) 戦前から議院秩序を重視してきた傍聴規定には今も座席区分や服装規制が残り、公開性を損なっている。</p>

収録刊行物

  • 年報政治学

    年報政治学 72 (1), 1_202-1_224, 2021

    日本政治学会

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