近世林業地の分類に対する考察

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タイトル別名
  • Analysis of classification of forestry areas in Edo Period

抄録

<p>幕府・諸藩の林野制度の類型の代表的なものには西川氏が大別し、鷲尾良司氏が分析し、要約した3類型がある。本論ではこれを再考察するため、鳥取藩の智頭群を当てはめ、分析した。</p><p> 智頭群は享保期末に採取林業から育成林業への転換がおこった地域であり、西川―鷲尾氏の分析対象に近い条件を持つが、分類されていない。そのため、西川―鷲尾説の検討に新たな視角をもたらすと考えられた。</p><p> 智頭は藩有林の面積も大きく、材木流通においても問屋で統制管理を行い、藩で必要な品を確保した後に、残ったものを材木商に払い下げる方式をとっていた。木材伐出の統制の点からは第一類型と考えられた。しかし私有林は認められており、この点は二類型的であった。ただし、伐採には監督が必要であったり、私有林から御用材を徴発されたりするなど、自由に扱えたわけではなかった。植林は救済事業としての意味合いも大きかったためこの点は三類型的であるといえた。全体的には一類の要素が大きいが、二類と三類の要素も無視できないと考えられた。智頭林業の把握するべき点が西川―鷲尾説と整合的であるか、より考察を重ねる必要がある。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997573183360
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_221
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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