ベアト写真と辿る相模国(神奈川県)の高原リゾート地
-
- 高田 俊二
- 千葉大学大学院工学研究院
書誌事項
- タイトル別名
-
- Walking Around the Mountain Resort Areas in Sagami-Koku with Beato's Photos
抄録
<p>日米修好通商条約で開港した横浜は生糸貿易で賑わい,多くの外国人が居留した結果,相模国の神奈川県に高原避暑の習 慣が伝わった.神奈川県には,丹沢山系と箱根山系の二つの高原地区があるが,外国人遊歩区域内の丹沢山系にある宮ヶ瀬は,幕末からすでに外国人の川遊びで賑わっていた.写真家ベアトは,共同経営者の画家ワーグマンと連れ立って宮ヶ瀬周辺を歩き回り,さらに遊歩区域外の箱根東海道や箱根七湯道にも踏み込んだと思われる.ベアトは多くの写真を撮影し,それらを写真アルバム「日本の風景」の中に収めた.彼の写真は,「絵のように美しい」と思わせるピクチャレスクであり,日本を訪れた外国人が箱根に魅力を抱く基礎を作ったと考えられる.本報では,ベアト写真と共に相模国の高原リゾート地を辿ってみる.さらに明治の世に箱根が世界的なリゾート地として発展する基盤を作った先人の貢献についても振返る.</p>
収録刊行物
-
- 日本写真学会誌
-
日本写真学会誌 84 (1), 32-41, 2021
社団法人 日本写真学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390010997580364928
-
- ISSN
- 18845932
- 03695662
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可