日本における巨木の持つ価値について

  • 蔡 寧馨
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 石橋 整司
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林
  • 齋藤 暖生
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林富士癒しの森研究所
  • 藤原 章雄
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林フィールドデータ研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Study about the value of giant trees in Japan

説明

<p> 長い時をかけて成長した巨木は自然を象徴する存在である。巨木を「聖なるもの」としてまつる行為は人間の信仰の中でも最も初源的なもののひとつと考えられ、日本においても巨木がご神木・ご神体として崇められ、伝説や伝承が語り継がれる存在である例は数多くみられる。巨木の存在は人々の生活や地域社会の連帯にも影響を与えていることがうかがえるが、なぜ巨木はそのような精神的な効果を及ぼすのであろうか。その理由を理解するためには、巨木の特徴をさまざまな側面から整理し、日本人が巨木から受ける精神的なイメージや「聖なるもの」と感じさせる根本的な要素を明らかにする必要がある。そこで、本研究では、環境省が実施した巨樹・巨木林調査でリストアップされた樹木の中からサイズの大きさの上位に位置する個体を中心に選抜し、巨木にまつわる歴史、故事、伝承などの歴史的要素、外観や立地条件などの物理的要素、地域信仰などの精神的要素に関して分析を行った。その結果、巨木には大きさなどの物理的要素に由来する歴史的価値が付与されており、また度重なる災害など地域の事情や出来事に結びついた精神的価値が「信仰心」へとつながる等の特徴がみられた。</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997581348480
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_237
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ