九州産スギ6品種の成長と窒素利用様式
書誌事項
- タイトル別名
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- Growth and nitrogen use of 6 <i>Cryptomeria japonica</i> cultivars from Kyushu
説明
<p>スギ品種の生育に遺伝子型と表現型可塑性が及ぼす影響を評価するために,九州大学,宮崎大学,鹿児島大学,愛媛大学演習林の5つのサイト(粕屋,田野,椎葉,高隈,米野々)に共通圃場が設定された。今回はクモトオシ,ヤイチ,オビアカ,ヤブクグリ,メアサ,アヤスギの植栽後45年での窒素利用様式と樹高成長との関係を検討した。</p><p> 生葉の窒素濃度は早生型のクモトオシとヤイチで高く,中生型のオビアカとヤブクグリで低かった。落葉の窒素濃度は,中生型のヤブクグリで最も高く,早生型のクモトオシとヤイチは晩生型のメアサとアヤスギと比較して高かった。</p><p> 針葉の形質およびそれらの可塑性と樹高成長との関係を主成分分析により検討した結果,樹高成長の大きい早生型のクモトオシ,ヤイチは窒素利用効率が低く,樹高成長の小さい晩生型のメアサ,アヤスギは窒素利用効率が高いというトレードオフ関係があることが示唆された。中生型のオビスギとヤブクグリは葉の形質の可塑性が大きかった。スギ品種の樹高成長と針葉中の窒素含有量との間に明瞭な関係は見られなかったが,樹高成長には針葉の形質の地形スケールでの可塑性の大きさが影響していることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 365-, 2022-05-30
日本森林学会