東京港野鳥公園の常緑広葉樹萌芽における葉のポリフェノール濃度

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タイトル別名
  • Leaf polyphenol concentration in sprouting of evergreen broad-leaved trees in Tokyo Port Wild Bird Park

抄録

<p>樹木の持つ代表的な化学防御物質のポリフェノール(PP)は,森林や緑地管理の観点からも注目されるべきであるがその知見は限られている。本研究では,常緑広葉樹萌芽のPP濃度について基礎情報を把握するため,東京港野鳥公園において伐採から1年が経過した3樹種(ウバメガシ,トウネズミモチ,マテバシイ)の萌芽を対象に葉のPP濃度を調査した。また,PP濃度に影響する要因を明らかにするため,葉の全炭素・窒素濃度,SPAD値,切株の最大萌芽高などの測定を行った。</p><p>PP濃度は旧年葉,当年葉ともに,ウバメガシ(110~150mg/g)>マテバシイ(60~100mg/g)>トウネズミモチ(10~30mg/g)となった。葉のPP濃度は,窒素濃度およびSPAD値と負の相関があり,C/N比と正の相関がみられた。また,切株の最大萌芽高は,トウネズミモチ(190~240cm),マテバシイ(190~270cm)と比較してウバメガシ(100~130cm)で小さく,葉のPP濃度と負の相関があった。以上のように,常緑広葉樹萌芽の葉のPP濃度には樹種特性があり,葉の生理活性や萌芽の成長速度と関係があると考えられた。発表では成木の葉との比較なども報告する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997581372544
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_436
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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