キハダ実生の葉フェノロジーの産地間比較

DOI
  • 稲永 路子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 平尾 知士
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 織部 雄一朗
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 磯田 圭哉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 山田 浩雄
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター

書誌事項

タイトル別名
  • The Inter-provenance comparison of leaf phenology of <i>Phellodendron amurense</i> seedlings

抄録

<p>キハダは北海道から九州に広く分布する落葉高木で、生薬の原料として利用される薬用樹木の一つであり、比較的成長が早いことから木材としての利用にも期待が持たれている。本研究では、国内のキハダ遺伝資源について環境適応性や遺伝的変異を把握するために、5ヶ所の産地(北海道、東北、中部、中国、九州)に由来する実生苗について、展葉・落葉フェノロジーを評価した。林木育種センター(茨城県日立市)の場内において、2019年秋から2020年春まで育成した14系統の開葉指数と、2020年秋から2021年春まで育成した18系統の落葉指数を測定し、それぞれの産地内平均値を求めた。開葉は九州、中部、中国、北海道、東北産の順に早く、緯度と弱い正の相関が見られたことから、各産地への遺伝的な適応が起こっていると考えられる。落葉は初期(10月)には北海道、東北、中部、中国、九州産の順に早く、緯度と強い相関が見られたが、その後、北海道産は休眠芽が開芽したため、東北産よりも遅くまで葉が残った。これは、試験を行った日立市の環境において、北海道産個体では一部の芽で休眠が正常に誘導されなかったことを示唆していると考えられる。</p>

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997589341824
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_396
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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