イチョウにおける形成層活動および二次木部形成の季節性

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal change of cambial activity and intra-annual xylem formation in stem of <i>Ginkgo biloba</i>

説明

<p> 木本植物は、維管束形成層細胞の分裂や分化により長期にわたって樹幹に二次木部を蓄積させる。本研究では、「生きた化石」とも呼ばれる木本植物の中でも非常に古い植物種の一つであるイチョウ(Ginkgo biloba)の形成層活動および二次木部形成の季節性を明らかにすることを目的とした。秋田市に生育するイチョウ成木を対象に、胸高部における形成層活動および二次木部形成を光学顕微鏡レベルで観察し、葉のフェノロジーのモニタリング結果と同一時系列内で比較した。</p><p> 4月上~中旬の芽の伸長とほぼ同時期に形成層細胞の分裂が認められた。4月下旬~5月中旬の開芽・開葉の時点では、分化中の当年木部細胞は認められず、形成層活動再開から1ヶ月以上後に二次木部細胞の拡大が認められた。また、形成層細胞の分裂が活発化したのは形成層活動再開から1~2ヶ月の後であった。これらの結果から、イチョウ樹幹では、形成層活動が再開してから、細胞分裂が活発化するまでおよび木部分化が始まるまでには時間差があることが明らかになった。また、イチョウの当年葉の展開に必要な水は前年以前の木部を通って供給されることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997589344256
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_413
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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