気候の異なる3つの植栽地におけるスギクローンの遺伝子発現の年周性の違い

DOI
  • 能勢 美峰
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 花岡 創
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 武津 英太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 栗田 学
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 三浦 真弘
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 平岡 裕一郎
    静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部
  • 井城 泰一
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 三嶋 賢太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 高橋 誠
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 渡辺 敦史
    九州大学大学院農学研究院

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in annual transcriptome dynamics of Japanese cedar planted under different climate conditions

抄録

<p>気候変動と考えられる気象条件等の変化が顕在化しつつある近年、環境がスギ(Cryptomeria japonica D. Don)に与える影響を理解することは益々重要になっている。本研究では、年間を通じて環境がスギに与える影響を分子レベルから明らかにするため、気候の異なる3箇所(山形県東根市、茨城県日立市、熊本県合志市)に同一クローンのさし木苗を植栽し、遺伝子発現の年周性についてマイクロアレイを用いて解析した。得られた発現データを基に主成分分析を行ったところ、成長期(6〜9月)よりも休眠期(1〜3月)に植栽地による違いがより大きいことが明らかになった。山形と熊本を比較すると、山形では休眠期においてストレス応答関連遺伝子の発現量がより高く、成長関連遺伝子の発現量がより低かった。春の成長に関与すると推定されるアミノ酸合成関連遺伝子の発現量は気温に対して負の相関を示し、冬期に発現量が増加し、特に寒冷の山形で発現量が高かった。これらのことから、環境に応答してスギの発現遺伝子は変動しており、植栽値間の年周性の違いに関して休眠期の環境条件の違いが大きく影響すると推定された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997589346048
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_424
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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