絶滅危惧樹木トガサワラの四国における分布と立地環境

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The distribution of an endangered tree Pseudotsuga japonica in Shikoku and its geographical environment

抄録

<p>トガサワラは絶滅危惧II類(VU)に指定されており、高知県東部と紀伊半島にのみ自生している。高知県では国有林に3か所の保護林が設定されているが、それ以外の地理的分布や立地環境については詳しくわかっていない。そこで、国有林職員等の目撃情報や文献を基に保護林外の生育場所を探索し、分布図を作成するとともに、立地環境との関係を検討した。目撃情報が寄せられた場所を踏査し、GNSSを使い一個体ごとに測位した。現地に近づけない場所ではUAVを使い、オルソ画像等から立木位置を読み取った。UAVや踏査により確認した個体のポイントをGISに表示し、標高地形図、傾斜区分図、傾斜方位図、降水量分布図、土壌図、地質図を重ねてトガサワラが分布する立地環境を分析した。その結果、トガサワラは、標高200~900m、傾斜角30~70度、降水量3,000mm以上の場所に出現し、周囲よりも傾斜角が大きい場所や岩石地に片寄って分布する傾向があった。一方、斜面方位、地質とは明確な関係が認められなかった。高知県東部は特に降水量が多く傾斜が急峻なため土砂崩れが起きやすく、このことがトガサワラの分布と関連していると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997597144448
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_147
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ