東日本におけるミネカエデ類の分布境界とその形成過程

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タイトル別名
  • Formation of distribution boundaries of the <i>Acer tschonoskii</i> complex in eastern Japan

抄録

<p>東アジアで多様化した木本植物としてカエデ属(Acer)が知られており、日本列島には約27種が分布している。カエデ属の多様化には分布境界における近縁種間の交雑が関係していると考えられる。ウリハダカエデ節(Sect. Macrantha)に分類されるミネカエデ(A. tschonoskii)とナンゴクミネカエデ(A. australe)は近縁であり、両者が分布する関東甲信越以北では、花の形態に基づいて、日本海側にミネカエデが分布し、太平洋側にナンゴクミネカエデが分布すると考えられている。本研究では、花の形態の観察により2種の分布を再検討した上で、遺伝構造の解析を行い、東日本におけるミネカエデ類の分布境界とその形成過程の知見を得ることを目的とした。2020年6月から10月に関東甲信越地方の3集団、2021年6月から9月に北海道・東北地方の14集団の調査を行った。その結果、花の形態から東北地方では太平洋側にもミネカエデが分布し、奥羽山脈ではミネカエデとナンゴクミネカエデと考えられる個体が混生していることが明らかになった。また、これらの集団について核SSRマーカーと葉緑体シーケンスにより遺伝構造を分析しており、その結果から分布境界の形成について議論する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997597183872
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_377
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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