茨城県のナラ枯れ被害地におけるカシノナガキクイムシの発生消長と穿入消長

DOI
  • 衣浦 晴生
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域
  • 北島 博
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域
  • 滝 久智
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal changes in emergence and boring of <i>Platypus quercivorus</i> at the damaged forest in Ibaraki Prefecture

抄録

<p>茨城県では2020年、初めてナラ枯れが確認された。演者らは2021年5月下旬、森林総合研究所筑波共同試験地(石岡市柴内)においてカシノナガキクイムシに集中加害されたコナラ枯死木2本とコナラ穿入生存木2本に対して羽化トラップを設置し、毎週羽化・脱出してくるカシノナガキクイムシ成虫を捕獲し、その脱出消長について調査した。同時に試験地内の110本のナラ類について高さ2m以下のカシノナガキクイムシによる穿入孔を全て色画鋲で記録し、その穿入消長について調査した。その結果、カシノナガキクイムシ成虫は枯死木から多く発生し、最大で1孔当たり500頭を超える発生の孔道も複数存在した。穿入生存木では、全体としては枯死木より成虫発生数は少なかったが、稀に300頭を超える孔道もあった。性比は全体として、初期にはオスが発生し徐々に累積性比が1:1に近づいたが若干オスに偏っていた。また孔道毎の性比も発生数が少ない場合はオスに偏っていた。羽化トラップ初発日は5月下旬であるのに対し、穿入初観察日は6月下旬と4週間の差があり、1日当たりの穿入数のピークは脱出数のピークよりも1週間遅く観察された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390010997597218176
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_616
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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