血漿交換・ステロイド療法に抵抗性を示し微小血栓による多臓器不全を呈した血栓性血小板減少性紫斑病の1 剖検例

書誌事項

タイトル別名
  • Multiorgan failure and ischemic cardiomyopathy with microthrombosis–induced plasmapheresis–refractory thrombotic thrombocytopenic purpura revealed by autopsy
  • ケッショウ コウカン ・ ステロイド リョウホウ ニ テイコウセイ オ シメシ ビショウ ケッセン ニ ヨル タゾウキ フゼン オ テイシタ ケッセンセイ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ ノ 1 ボウケンレイ

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抄録

<p>症例は78 歳,男性.202X 年8 月に発熱,倦怠感を主訴に近医を受診し,採血異常にて当院へ紹介となった.来院時血小板減少,溶血性貧血,高度腎障害および意識障害を認めたことから血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が疑われ,血漿交換とメチルプレドニゾロンパルス療法,血液透析を開始した.初回治療終了後は問題なかったが,同日夜間循環動態が急激に悪化し心肺停止状態となった.蘇生行為により心拍再開,挿管人工呼吸器管理の上体外式膜型人工肺(V‒A ECMO)を導入.その後も連日血漿交換と血液透析,ステロイド療法を継続したが治療奏効せず第7 病日に死亡した.後日ADAMTS13 活性が測定感度以下と判明し,TTP の診断となった.剖検では多発微小血栓による虚血性多臓器不全を認め死因はそれに伴う心筋虚血と診断した.本症例では標準治療への反応乏しく,血栓性多臓器障害を急激な経過で認めたため,剖検所見と現在のTTP 治療に関して文献的考察を交えて報告する.</p>

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参考文献 (11)*注記

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