消化器癌との鑑別が困難であった膀胱癌plasmacytoid variantの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Plasmacytoid Variant of Bladder Cancer Mimicking Gastrointestinal Cancer
  • ショウカキガン ト ノ カンベツ ガ コンナン デ アッタ ボウコウ ガン plasmacytoid variant ノ 1レイ

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説明

<p>腹膜播種が先行しイレウスが発症の契機となった膀胱癌plasmacytoid variantの症例を経験したので報告する.</p><p>症例は75歳の男性で,腹痛を主訴に受診した.CTで横行結腸に閉塞起点のある大腸イレウスを認め,胃もしくは横行結腸が原発と考えた.切除不能であったため,姑息的な回腸-横行結腸バイパス術後に化学療法を行った.一時的に奏効したが増悪を認め,上部・下部消化管内視鏡を再検したが明らかな腫瘍性病変は認めなかった.再検した腹部CTで膀胱の璧肥厚を認め,膀胱鏡検査を施行した.膀胱粘膜に明らかな浸潤癌の所見はなかったが,同部位を経尿道的に切除したところ膀胱癌plasmacytoid variantと確定診断した.病状は急激に悪化したため,緩和ケアの方針となり,転院先の病院で死亡した.</p><p>悪性腫瘍の診断,治療においては,他分野の知見や検査を加えることも重要と考える.腹膜播種が先行した場合でも消化器癌が原発と決め付けず,今回のような膀胱癌plasmacytoid variantも鑑別に挙げることが肝要である.</p>

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