当院における選択的胆管挿管法の現状と内視鏡技師の役割

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抄録

【背景】内視鏡的逆行性胆管膵管造影(以下ERCP)および関連手技において、選択的胆管挿管は基本的手技の1つである。術者と助手の協調作業が必要であり、当院では2017年度から内視鏡技師が助手を務めている。安定した成績を得るためには、胆管挿管におけるストラテジーを術者と共有する必要がある。 【目的】当院における選択的胆管挿管法の現状について検証すること。【対象と方法】2017年4月から2020年3月までに報告された検査レポート649件を対象として、1)ERCP 件数の年度別推移、2)初回乳頭の割合、3)初回乳頭における胆管挿管率・挿管法、4)初回乳頭における胆管挿管不成功例への対応について検証した。 【結果】1)2017年度144件、2018年度166件、2019年度155件、2020年度183件であり、年平均162.2件であった。2)初回乳頭の割合は40.8%(265/649)であった。3)挿管率は95.1%(252/265)、挿管法はWire-guided cannulation(WGC)54.0%(136/252)、Precut(Freehand)28.6%(72/252)、膵管ガイドワイヤー法(PGW)13.9%(35/252)、Precut(膵管括約筋切開術:PSP)2.8 %(7/252)、2 nd try 0.8 %(2/252)であった。4)術中ランデブー法4例、外科手術3例、経皮的胆道ドレナージ3例、BSC 2例、その他1例であった。【結語】内視鏡技師が助手であっても、胆管挿管率は95.1%と良好な成績であった。また挿管法についてはWGC を基本とし、困難例にはearly Precut やPGW を併用する当院のストラテジーを反映した結果となった。内視鏡技師は選択的胆管挿管においてWGC、Precut、PGW の習熟に努める必要がある。

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