道具と対象物品との対応に障害のあった左前頭葉, 頭頂葉梗塞の 1 例

  • 石橋 凜太郎
    穂翔会村田病院 リハビリテーション部
  • 花田 恵介
    錦秀会阪和記念病院 リハビリテーション部 大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科
  • 近藤 正樹
    京都府立医科大学大学院医学研究科 神経内科学
  • 河野 正志
    穂翔会村田病院 リハビリテーション部
  • 平山 和美
    山形県立保健医療大学 作業療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • Difficulty in Matching Tools and their Recipients after Left Frontal and Parietal Infarction : A Case Report

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抄録

<p>  左の前頭葉と頭頂葉の梗塞後に, 道具使用の障害を呈した症例を報告する。日常生活でも検査場面でも, 主に道具とその対象物品との対応にのみ誤りを示した。道具と対象物品が一対一で与えられれば, 道具を扱う操作自体には問題がなかった。道具の呼称, 道具使用のパントマイムの理解, 道具の構造の知識は保たれていた。しかし, 道具に合う対象物品を選ぶ課題も, 対象物品にあう道具を選ぶ課題も著しく困難だった。反応に際しては, すべての選択肢を点検する, 「わかりません」と述べる, 考え込むなどの行動がみられた。道具と対象物品との対応の誤りは, 実物品, 線画, 文字いずれを用いて検査しても明らかであった。そこから, この障害が意味記憶へのアクセスに関連する可能性を考えた。見出された障害の特徴に基づいて, 家人などに眼前の選択肢を少なくする環境調整を促したところ, 道具使用に際しての問題が減り介護負担感も軽減した。</p>

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