国策と技術との関係再考のために : 木内昇『光炎の人』論

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タイトル別名
  • Rethinking the Relationship Between KIUCHI Nobori's "Kouen no Hito," Nuclear Power Plants, National Policy, the Multiplication of Axes of Evaluation, Science and Technology
  • コクサク ト ギジュツ ト ノ カンケイ サイコウ ノ タメニ : キウチショウ 『 コウエン ノ ヒト 』 ロン

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説明

本稿は、東日本大震災以後にも存在する「人類にとって科学技術を発展させることは不可欠である」という論理を用いることで、原子力発電技術を擁護する言説を批判するために、木内昇『光炎の人』を分析した。まず、国策による技術開発の問題点として、国の要望に応える以外の技術開発の評価軸を技術者が持たなくなる点と、国策の目的に沿う以外の技術開発が抑圧されうるという点の二点を明らかにした。そして、その問題点を乗り越えていくために、技術開発を評価する機軸を複数化することが肝要であると述べ、震災後の原子力発電技術を擁護する言説は発電技術を単純にしか評価していないと批判し、現状の原子力発電とは異なるトリウム熔融塩炉などの発電技術開発への取り組みを積極的に評価する必要性を主張した。

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