抗HLA抗体がblinatumomabを含む化学療法後に大幅に減少したB細胞性急性リンパ性白血病

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タイトル別名
  • Extensive reduction of anti-human leukocyte antigen antibodies after chemotherapy including blinatumomab for B-cell acute lymphoblastic leukemia
  • コウHLA コウタイ ガ blinatumomab オ フクム カガク リョウホウ ゴ ニ オオハバ ニ ゲンショウ シタ Bサイボウ セイキュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ

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抄録

<p>症例は66歳男性。発熱を機にフィラデルフィア染色体陰性B細胞性急性リンパ性白血病と診断され,Hyper-CVAD療法を施行するも寛解に入らず,同種移植検討目的に当院へ転院となった。転院時の骨髄検査ではblast 97.5%であった。臍帯血移植を行う方針としたが,検査の結果,広範囲な抗HLA抗体を有していることが判明した。化学療法およびblinatumomabによる治療を行ったが非寛解であり,mini MEC療法後に寛解を得ることができた。Blinatumomab投与後のタイミングで再度抗HLA抗体検査を行ったところ,保有していた広範囲な抗HLA抗体が大幅に減少していることが確認されたため,引き続いて寛解期で臍帯血移植を行うことができた。本症例においてはCD19を標的とした薬剤であるblinatumomabを含む治療によって抗体産生細胞が減少し,抗HLA抗体の大幅な消失につながった可能性が考えられた。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 63 (6), 550-554, 2022

    一般社団法人 日本血液学会

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