飼育下のメス1頭のトラ<i>Panthera tigris</i>における年間を通じた血中コルチゾール濃度と糞中コルチゾール濃度動態

DOI
  • 森 万佑子
    岩手大学農学部
  • 出口 善隆
    岩手大学農学部 岩手大学次世代アグリイノベーション研究センター
  • 伴 和幸
    大牟田市動物園 現所属:豊橋総合動植物公園

書誌事項

タイトル別名
  • Annual dynamics between serum cortisol concentration and fecal cortisol concentration in a female captive tiger

抄録

<p>飼育環境が動物へ与えるストレスの評価は、動物福祉の充実において重要である。トラで糞中コルチゾール濃度がどの程度、血中コルチゾール濃度を反映しているか定かではない。本研究ではメスの飼育トラ1頭を用いて、年間を通じたコルチゾール濃度動態および糞中と血中のコルチゾール濃度の関係を調べた。その結果、糞中と血中のコルチゾール濃度において有意な正の相関が認められた (r=0.60、P<0.01) 。これより、糞中コルチゾール濃度は血中コルチゾール濃度の変動を反映していることが明らかとなり、非侵襲的なストレス評価に糞中コルチゾール濃度が有用だと考えられた。またトラで血中および糞中コルチゾール濃度には季節変動がみられず、年間を通じたストレス評価の指標として有用なことが示唆された。アムールトラやスマトラトラなどの他亜種で季節変動の影響を受けず、年間を通じた糞中コルチゾール濃度によるストレス評価が可能であると明らかにできると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390011318888884480
  • DOI
    10.20652/jabm.58.2_74
  • ISSN
    24350397
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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