エアバッグとシートベルトによる胸部への外力で発生した大動脈原性多発塞栓症の一例

DOI
  • 藤森 大輔
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 総合病院国保旭中央病院救命救急科
  • 本村 友一
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 日本医科大学救急医学教室
  • 山本 晃之
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学
  • 原 義明
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 日本医科大学救急医学教室
  • 西本 哲也
    日本大学工学部
  • 高橋 希
    千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学
  • 柄澤 智史
    千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学
  • 高橋 功
    総合病院国保旭中央病院救命救急科

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF MULTIPLE AORTOGENIC EMBOLISM CAUSED BY BLUNT CHEST TRAUMA FROM AN AIRBAG AND SEATBELT

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抄録

<p> 74歳男性. シートベルトを着用し軽乗用車運転中に意識を失い前方の車両に追突し, フロントエアバッグが作動した. ドクターヘリで当院へ搬送され, CT検査で胸骨骨折・内胸動脈損傷・多発腰椎圧迫骨折の診断となり, 経カテーテル的内胸動脈塞栓術を施行した. 入院後より経時的に血中CPK値が上昇し, 代謝性アシドーシスと高乳酸血症も進行した後, 心停止・自己心拍再開を経て腸管虚血に至り, 第4病日に死亡した. 経過中のCT検査より胸部大動脈原性の両下肢の筋梗塞を含む多発塞栓症が疑われた. 安全装置であるエアバッグとシートベルトによる鈍的胸部外傷に起因した二次的な大動脈原性塞栓症で広範な筋梗塞を認めた例は稀有であり報告する.</p>

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