知的障害者の地域生活継続のための先駆的相談支援実践 障害者相談支援事業所に対する聞き取り調査から

書誌事項

タイトル別名
  • Pioneer Social Work Practice for Maintaining Community Independent Living of People with Intellectual Disability
  • チテキ ショウガイシャ ノ チイキ セイカツ ケイゾク ノ タメ ノ センクテキ ソウダン シエン ジッセン : ショウガイシャ ソウダン シエン ジギョウショ ニ タイスル キキトリ チョウサ カラ

この論文をさがす

抄録

今日の障害者福祉においては,地域生活移行が政策的にも実践面でも推進されてきている。一方で,地域で家族と暮らす知的障害者に目を向けると,親によるケアが難しくなったために本人のQOLが低下したり,やむを得ず施設入所したりするケースも報告されている。このような中,親によるケアが難しくなった時に,あるいは親が元気なうちから,親によるケアから社会的ケアへと移行させ,本人の安定した豊かな地域生活継続を可能にするような相談支援が必要となる。そこで本研究では,社会的ケアへの移行を積極的に支援している先駆的な相談支援事業所を対象に聞き取り調査を行い,その実践内容を分析した。その結果,これらの先駆的事業所では,「障害があっても成人すれば親元から離れて暮らすのが当然」「障害があっても施設ではなく地域で生活する権利がある」という確固たる信念に支えられながら,ミクロ,メゾ,マクロのレベルに対する介入が行われていることが明らかとなった。このことから,知的障害者の地域生活継続に向けた本人・家族に対する望ましい相談支援とは,まさにソーシャルワーク実践であるということが確認できた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ