胃癌術後に発症したKounis症候群の1例

  • 藤田 正博
    藤田医科大学総合消化器外科
  • 柴崎 晋
    藤田医科大学総合消化器外科
  • 中村 謙一
    藤田医科大学総合消化器外科
  • 中内 雅也
    藤田医科大学先端ロボット内視鏡手術学講座
  • 田中 毅
    藤田医科大学先端外科治療開発共同研究講座
  • 稲葉 一樹
    藤田医科大学先端ロボット内視鏡手術学講座
  • 宇山 一朗
    藤田医科大学先端ロボット内視鏡手術学講座 藤田医科大学先端外科治療開発共同研究講座
  • 須田 康一
    藤田医科大学総合消化器外科 藤田医科大学高度情報医療外科学共同研究講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Kounis Syndrome That Developed after Gastrectomy for Gastric Cancer

この論文をさがす

抄録

<p>アレルギー反応に起因した急性冠症候群(acute coronary syndrome;以下,ACSと略記)はKounis症候群と呼ばれる.今回,我々は胃癌術後に発生したKounis症候群の1例を経験したので報告する.症例は既往歴のない60歳の男性で,胃癌の診断でロボット支援下幽門側胃切除術を施行した.術中偶発症など特になく手術は終了した.術後約6時間後に,突然HR 30台の徐脈と収縮期血圧60台への低下とST上昇を認めた.ACSを疑い緊急冠動脈造影検査を行ったが,冠動脈の狭窄所見は認めなかった.その一方で,検査前に左膝部に孤立性の膨疹が認められ,検査後に皮疹は両上下肢に広がっていた.薬剤アレルギーとそれに伴うACSであるKounis症候群と診断し,ステロイドを全身投与した.血圧は上昇し,その後のACSの再燃は認められなかった.ACSのリスクが低いにもかかわらずACSが強く疑われる際には,薬剤性アレルギーの可能性を念頭に置き迅速な対応が重要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ