ショック状態を呈した直腸癌に伴う内腸骨動脈直腸瘻の1 例

  • 長﨑 高也
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター消化器外科
  • 武藤 昌裕
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター放射線科
  • 上原 崇平
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター消化器外科
  • 中屋 誠一
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター消化器外科
  • 坪井 謙
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター消化器外科
  • 原田 幸志朗
    名古屋市立大学医学部附属東部医療センター消化器外科
  • 三井 章
    名古屋市立大学医学部附属西部医療センター消化器外科
  • 瀧口 修司
    名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Shock Resulting from an Internal Iliac Artery-rectal Fistula Associated with Rectal Cancer:A Case Report
  • ショック ジョウタイ オ テイシタ チョクチョウ ガン ニ トモナウ ナイ チョウコツ ドウミャク チョクチョウロウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>動脈腸管瘻は,消化管出血の原因としてはまれな病態であるが,大量出血から容易に致死的となりうる腹部救急疾患である。大動脈十二指腸瘻の報告が散見されるが,動脈下部消化管瘻の報告はまれであり,早期診断が難しいことなどから予後不良とされる。今回われわれは,大量下血からショックに陥った内腸骨動脈直腸瘻の患者に対し,IVR および腸管内のガーゼによる圧迫で救命した1 例を経験したため報告する。症例は56 歳男性。切除不能直腸癌に対し,化学放射線療法を施行後に化学療法中であった。下血を主訴に来院され,下部消化管内視鏡検査を施行中に大量出血をきたしショックに陥った。左内腸骨動脈直腸瘻と診断し塞栓術を行った。豊富な血流および側副血行路のため,塞栓術単独での完全止血は困難であった。肛門と双孔式人工肛門の肛門側よりガーゼを挿入しタンポンとすることにより止血を得,救命することができた。17 病日で退院し22 ヵ月後に原病死された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ