『日本語日常会話コーパス』を利用した指示語(コソアド)の用法の識別について

書誌事項

タイトル別名
  • Actual Use of the Deictic Words (Ko, So, A, Do) are Used in the Corpus of Everyday Japanese Conversation

抄録

『日本語日常会話コーパス』(Corpus of Everyday Japanese Conversation)のモニター公開版のデータ(50時間分)を用いて,指示語(コソアド)の使用実態を報告した。また,動画を参照し,形式的に指示語に由来するフィラーについて,その用法の識別を検討した。「コソアド」には,指示語の用法(連体詞・副詞・代名詞・名詞)と,指示語由来の応答・感情・フィラーなどを表す用法(感動詞)とがある。しかしながら,CEJCにおいて,「そう」「こう」「この」は,フィラー用法があるにもかかわらず,感動詞としての用法が設けられていない。そこで,この3語に着目し,動画を参照しながら,「そう」「こう」「この」の用法の識別を試みた。副詞や連体詞としての用法と,感動詞-フィラーとしての用法が,区別できるケースもあったが,話者の意図やそれに伴う身振りが明確でないことから,用法に連続性が認められたり,指示性が途中で流れ(希薄化ないし消失し)たりして,区別できない場合もあった。よって,CEJCの認定および分類方法は妥当であると考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ