ダイズ茎疫病の圃場間・圃場内における発病変異の要因探索

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タイトル別名
  • Relationship between Variation of Inter-Field and Intra-Field Environmental Factors and the Occurrence of Phytophthora Root and Stem Rot
  • ダイズ ケイ エキビョウ ノ ホジョウ カン ・ ホジョウ ナイ ニ オケル ハツビョウ ヘンイ ノ ヨウイン タンサク

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抄録

<p>ダイズ茎疫病(茎疫病)は一般に排水不良圃場ほど発生しやすいが,土壌水分の感染拡大への寄与の実態は明確でない.栽培現場における茎疫病発生と土壌水分条件および土壌諸特性との関連を圃場間差異・圃場内変異の両面から解析した.2019年および2020年に,丹波篠山市の水田転換畑1筆(ダイズ作初年および2年目,篠山圃場),および綾部市の常畑1筆(ダイズ連作12年目,綾部圃場)の品種丹波黒栽培圃場で調査を行った.両圃場で茎疫病発生が確認され,発病株率は篠山圃場が高かった.土壌を採取し同一水分条件で品種エンレイを栽培したところ,篠山土壌での発病が有意に多かった.一方,篠山圃場(10 m×100 m)を75区画に分割し解析したところ,発病率は土壌含水率の低い区画の方が多かった.土壌水分以外の要因に関して,土壌の伝染源ポテンシャルおよび諸特性値(pH,全窒素,全炭素,交換性塩基,可給態リン酸含量,礫含量)と発病率との関連を調べた.篠山圃場では綾部圃場に比べほとんどの塩基の含量,礫含量および伝染源ポテンシャルが高かった.篠山圃場のみを対象に,諸要因と発病の空間変異を解析したところ,マグネシウム含量および4 mm以上の礫含量の高い箇所で発病が多い傾向があった.伝染源ポテンシャルは土壌全炭素および窒素含量と相関を示した.以上より,茎疫病の発生において土壌水分の過剰は必ずしも支配的ではなく未知の主要因が存在すること,土壌の伝染源ポテンシャルと肥沃度が関連することが示唆された.</p>

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