腸閉塞を契機に発見された新生児虫垂炎の1例

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タイトル別名
  • A Case of Neonatal Appendicitis Discovered Owing to Intestinal Obstruction
  • チョウ ヘイソク オ ケイキ ニ ハッケン サレタ シンセイジ チュウスイエン ノ 1レイ

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説明

<p>腸閉塞で発症し,虫垂炎による炎症の波及が原因であった新生児症例を経験した.症例は日齢18の男児で嘔吐と腹部膨満を主訴に前医を受診し,腸閉塞疑いで同日当院へ搬送された.腹部造影CTで回腸での腸閉塞と診断し,同日緊急開腹術を施行した.回腸末端から30 cm口側に索状物による絞扼を認めた.また膿苔に覆われ根部と先端以外が広範囲に穿孔した虫垂を認め,虫垂炎の炎症の波及により索状物が形成されたと考えられた.虫垂は根部で切離した.絞扼部位の回腸は狭窄の程度が強く,切除して端々吻合した.術後経過は良好で術後16日に退院した.新生児虫垂炎は非常に稀である.新生児症例は虫垂炎の典型的症状に乏しく,本症例でも腸閉塞を契機に発見されたがそれ以前に虫垂炎を示唆する症状は全く認められなかったが,病理所見から新生児虫垂炎と診断した.開腹歴のない新生児の腸閉塞の原因として虫垂炎が背景にある可能性を考慮する必要があると思われた.</p>

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