東京都新宿南口から皇居までの道路周辺環境における 放射性セシウムの分布 ~2020 年の調査~

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タイトル別名
  • Distribution of Radioactive Cesium in the Environment Around the Roadfrom the South Exit of Shinjuku to the Imperial Palace, Tokyo, Japan in 2020

抄録

<p>2020 年5 月に東京都内の新宿駅南口から皇居・半蔵門まで,おもに国道20 号線の沿道から道路脇粉塵,蘚苔類(おもに蘚類)およびキク科のオオアレチノギクを採取し,放射性セシウム分析をおこなうことで,都市沿道環境における放射性セシウムの分布解明を試みた。その結果,調査時点でこの地域の放射性セシウムレベルは道路脇粉塵で最高3,020 Bq kg -1乾重あたりの137Cs濃度がみられ,原発事故から10 年近くが経過した都内にホットスポットとなりうる場所が形成されている可能性が示唆された。同地点で採取した数種の試料では,蘚類の根圏土壌>道路脇粉塵>蘚類>オオアレチノギクの順で高かった。また試料によって濃度のばらつきが異なり,道路脇粉塵>オオアレチノギク>蘚類の根圏土壌>蘚類の順でばらつきが大きくなった。これらのことから蘚類とその根圏土壌は放射性セシウムを高濃度かつ安定的に蓄積すると結論され,モニタリングに有効であることが示された。2020年の調査地の中では新宿御苑前で特異な高濃度がみられ,他には新宿三丁目,四ツ谷駅周辺および半蔵門前で比較的高レベルの放射性セシウムが検出された。それらの地点は調査地の中で比較的道幅が狭く,局地的な地理条件が放射性セシウムの蓄積に関与している可能性がうかがえた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390011705241009024
  • DOI
    10.57341/jras.2.2_28
  • ISSN
    27581160
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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