摂餌量減少がラットの血中及び組織中アルカリフォスファターゼに及ぼす影響

DOI
  • 守田 淳哉
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 桐畑 佑香
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 田中 夏樹
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 野口 ちひろ
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 松江 健太
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 栗原 康弘
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 伊﨑 彩
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 石井 愛子
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室
  • 若松 正樹
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所 安全性研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of reduced food intake on blood and tissue alkaline phosphatase in rats

抄録

<p>アルカリフォスファターゼ(ALP)は、肝臓、骨、小腸等、様々な組織に分布しており、血中ALPはこれらの組織の障害マーカーとして広く利用されている。反復投与毒性試験では被験物質によって摂餌量の減少がみられることがあり、この摂餌量減少が血中ALPを含む毒性試験評価項目のパラメータに二次的な影響を及ぼすことがある。しかしながら、摂餌量減少による血中ALPの変動にどの組織由来のALPが関連しているか詳細に研究した報告はない。そこで、雌雄ラットに、自由摂餌に対して65及び45%の制限給餌を4週間行い、血清・肝臓・骨・小腸におけるALPアイソザイム(ALP1、2、3及び5)を測定し、各組織のALP酵素活性染色を行った。アイソザイム解析の結果、正常ラットの血清では、ALP3及び5の割合が高く、ALP1及び2の割合は低かった。制限給餌により、血清ALPが高値を示したが、これはALP5及び2の高値に伴うものであった。血清ALP5の高値は、肝臓及び小腸でALP5が高値となったことに起因したものと考えられた。血清ALP2の高値がどの組織に由来するかは明確ではなかったが、雌の肝臓で毛細胆管にALP陽性を示す例数が増加したことと関連した変化である可能性が考えられた。また、制限給餌により肝臓ではALP1が高値となったが、肝障害を示唆する変化はなく、肝臓のALP1の血清への漏出は認められなかった。これらの知見は、反復投与毒性試験で血清ALPに変動が認められた際に、被験物質による直接的な影響か栄養不良に伴う二次的な影響かを鑑別するための考察の一助となると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390011716213095424
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-171
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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