ポリスチレン粒子の存在によるCaco-2細胞でのAzithromycinの作用の増強
書誌事項
- タイトル別名
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- Enhancement of Azithromycin Action in Caco-2 Cells by the Presence of Polystyrene Particles
抄録
<p>【目的】近年、腸管モデル細胞のCaco-2細胞に直径0.1 ㎛程度のポリスチレン粒子(PS-NPs)が取り込まれ、その一部がリソソームに蓄積することが報告された。環境中での増加が問題とされ、経口的に摂取する可能性があるマイクロプラスチックが細胞の生存調節機構に影響を与えることが予想されている。一方、マクロライド系の抗生物質のAzithromycin(AZM)は、高用量でリソソームに過剰に蓄積し細胞に障害を与えることが報告されている。治療のためAZMを服用した際に、細胞内のPS-NPsの存在により本来は現れない悪影響をもたらす可能性がある。そのため本研究ではCaco-2細胞を用いてPS-NPsとAZMを同時に処置することにより、PS-NPsがAZMの作用をどのように変化させるのか評価した。</p><p>【方法】ヒト結腸癌由来細胞株Caco-2細胞をDMEM+NEAA+10% FBSで培養し、直径0.1 ㎛、200 μg/mlのPS-NPsとAZMを48時間処置し、トリパンブルー染色で生存率を、MTT法で細胞増殖率を、LC3タンパクウエスタンブロットでオートファゴソームを、抗LAMP-1を用いた免疫蛍光染色でリソソームの形態を観察した。</p><p>【結果と考察】AZM単独では高い濃度で細胞増殖抑制と生存率の低下、LC3-Ⅱタンパクの増加、リソソームの数、サイズの増加が認められた。AZMとPS-NPsの併用は、AZM単独と比較してCaco-2細胞の増殖を抑制した。AZMとPS-NPsの併用によりLC3-Ⅱタンパクは増加が認められ、リソソームの数、サイズの増加が見られた。以上の結果から、PS-NPsの存在によりAZMの細胞増殖抑制作用が増加し、オートリソソームの蓄積も増加していると示された。リソソームに影響を示す薬剤の作用がPS-NPsの存在で増強される可能性が示された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 49.1 (0), P-198-, 2022
日本毒性学会