肝障害を引き起こす金属化合物/化学物質の時間毒性

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タイトル別名
  • Chronotoxicity of chemical-induced hepatic injury in mice

抄録

<p>多くの生物には24時間周期で繰り返される概日リズムが存在する。睡眠・覚醒のサイクルをはじめ、自律神経やホルモン、体温、代謝 (シトクロムP450 [CYPs]など)、血圧などほぼすべての生体機能は約24時間のリズムで変動する。また、病気の発症(喘息発作等)にも日内リズムが存在することが知られている。この24時間周期の生体反応を考慮し、多くの医薬品で処方時刻が添付文書に記載されており、抗がん剤などではその効能が時刻によって異なることも広く知られている。それに対し、概日リズムに関連した毒性学に関する報告は時間薬理治療や時間化学療法と比べると限定されている。</p><p>演者らは金属カドミウムを用いて、感受性時刻差の検討を行ったところ、僅か1日の中で「ゼローヒャク」という顕著な違いを示すことを見出してきた(Miura et al, J Toxicol Sci, 2012, 2013, 2017)。また、カドミウムだけでなく他の金属や化学物質においても固有の感受性時刻差を示すことを明らかにしてきた(Yoshioka et al, J Toxicol Sci, 2017, 2018/ Biol Pharm Bull, 2020, 2021)。</p><p>本シンポジウムでは、演者らが明らかにしてきた金属化合物や化学物質の毒性に対する感受性時刻差を中心に、最近の知見を紹介していきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390011716213243008
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_s15-1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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