神経系の発達過程に着目した神経発達毒性の<i>in vitro</i>アプローチ

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タイトル別名
  • <i>in vitro</i> approach for the developmental neurotoxicity potential using neural stem cell functions

抄録

<p> 人類の歴史において、我々は繁栄とともに様々な化学物質に曝露されてきた。過去には産業革命や高度経済成長を経て起きた大気汚染問題や様々な公害といった環境問題があった。近年はそうした目に見えて毒性の強い特定の化学物質の脅威は鳴りを潜める一方で、毒性は低いが日常的に曝露されている生活環境中の様々な化学物質による健康影響が懸念されるようになってきている。脳神経系については、自閉症などの発達期における影響を起因とする神経発達症の増加があり、その要因の一つとして様々な化学物質による日常的な曝露影響が懸念されている。</p><p> 化学物質等による神経発達毒性の評価は主に動物曝露実験で調べられているが、対象とされる化学物質は多種多様化しており、その多くを動物モデルで評価していくことは困難である。こうした理由からスクリーニング手法やメカニズム解析としての代替法の重要性が増してきたが、特にヒトiPS細胞といった多能性幹細胞の普及により、神経系細胞の形態および機能に対する評価法の開発が進んできている。また、近年では、脳オルガノイドや生体模倣システムといった新たな培養技術を利用した、より生理条件下に近い環境での毒性解析やヒトでの影響予測にも期待が持たれている。一方で、我々は、脳神経系の発達に関わる過程に焦点を当て、多能性幹細胞由来の神経幹細胞への曝露による神経系細胞への分化誘導への影響を中心に解析を行っている。今回の発表では、環境汚染物質による神経幹細胞への影響を中心とした神経発達毒性の解析を中心に話をする予定である。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390011716213318144
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_s30-4
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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