急性心筋梗塞に右室血栓からの急性肺塞栓症を合併し死亡した超高齢者の1例

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タイトル別名
  • The case of an octogenarian who died of acute myocardial infarction complicated with acute pulmonary embolism from a right ventricular thrombus
  • キュウセイ シンキン コウソク ニ ウシツ ケッセン カラ ノ キュウセイ ハイ ソクセンショウ オ ガッペイ シ シボウ シタ チョウコウレイシャ ノ 1レイ

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抄録

<p>維持透析中の86歳女性.透析中に血圧低下,呼吸状態悪化をきたし当院救急外来を受診.心エコー検査で左心室前壁の壁運動異常,トロポニンT陽性,前胸部誘導の心電図で陰性T波を認め,心不全を合併した急性心筋梗塞の診断で精査目的に当院循環器内科に入院.同日に冠動脈造影検査を施行したところ左前下行枝#7が99%狭窄であり,同部位に対しステント留置術を施行.入院時の採血検査にて,Dダイマーが上昇しており,急性肺塞栓症による呼吸不全も考慮し,入院翌日に造影CT検査を施行したが否定的であった.その後の経過は比較的良好.入院第4病日に著明な低酸素血症を認めた.Dダイマーは更に上昇しており,再度造影CT検査を施行したところ,深部静脈に血栓は認めず,肺動脈と右室心尖部に粗大な壁在血栓を認めた.深部静脈血栓症からではなく右室血栓の塞栓症による急性肺塞栓症と診断した.その後抗凝固療法と呼吸不全に対する非侵襲的陽圧換気療法を行うも,早期に心肺停止状態となり死亡退院となった.急性前壁心筋梗塞に右室梗塞を合併し,右室心尖部に粗大な血栓が生じたと考えられた.心筋梗塞と急性肺塞栓症を合併することは稀な病態であり,考察を加えてここに報告する.</p>

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