高齢知的・発達障害者向け行動・心理症状ケアプログラムの社会実装研究

DOI
  • 岡田 裕樹
    独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
  • 日詰 正文
    独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園

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抄録

本研究は,国立のぞみの園が令和2(2020)年に作成した「高齢知的・発達障害者向け行動・心理症状ケアプログラム」の効果や課題を把握することを目的として,高齢知的・発達障害者を支援する事業所8カ所を対象とした支援現場での試行と意見の収集のための調査を行った.調査の結果,行動・心理症状ケアプログラムは「見立てや仮説が立てやすくなり,背景要因を気づくきっかけとなる」「課題の見える化,焦点化ができ,課題の抽出がスムーズになる」「ニーズを構造的に捉えられ,支援の方向性,優先順位を示しやすくなる」「会議の効率化が図れ,支援者間で共有しやすくなる」等の効果があり,知的・発達障害者支援において有効であることが確認できた.行動・心理症状ケアプログラムが障害福祉分野で普及していくことにより,一般高齢者を対象とした介護保険分野と共通のツールを使用することによる支援者間の交流や研究の進展などが期待されるようになると考えられた.

収録刊行物

  • 国立のぞみの園紀要

    国立のぞみの園紀要 15 (0), 33-40, 2022

    独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園

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