地域在住高齢者における改訂版食品摂取の多様性得点の試作と評価

  • 横山 友里
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 吉﨑 貴大
    東洋大学食環境科学部食環境科学科
  • 小手森 綾香
    麻布大学生命・環境科学部食品生命科学科
  • 野藤 悠
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 清野 諭
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 西 真理子
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 天野 秀紀
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 成田 美紀
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 阿部 巧
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム
  • 新開 省二
    女子栄養大学
  • 北村 明彦
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム 八尾市保健所健康まちづくり科学センター
  • 藤原 佳典
    東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Development and evaluation of a modified version of the dietary variety score for community-dwelling older adults
  • チイキ ザイジュウ コウレイシャ ニ オケル カイテイバン ショクヒン セッシュ ノ タヨウセイ トクテン ノ シサク ト ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

<p>目的 食品摂取の多様性得点(DVS)は,日本人高齢者の食品摂取の多様性を評価する指標として,疫学研究や公衆衛生の現場において幅広く活用されている。一方,本指標は1990年代の開発以降,見直しが行われておらず,現在の日本人高齢者の食生活の実態を必ずしも十分に反映できていない可能性がある。本研究では,構成食品群の改訂による改訂版DVS(MDVS)の試作および妥当性の評価を行うことを目的とした。</p><p>方法 鳩山コホート研究の2016年調査に参加した357人(年齢:76.2±4.6歳,男性:61.1%)を対象とした。DVSおよびMDVSは,各食品群の1週間の食品摂取頻度をもとに,ほぼ毎日食べる食品群の数を評価した。DVSの構成食品群は肉類,魚介類,卵類,牛乳,大豆製品,緑黄色野菜類,果物,海藻類,いも類,油脂類とし,MDVSの構成食品群は平成29年国民健康・栄養調査における65歳以上の食品群別摂取量のデータをもとに,主菜・副菜・汁物を構成する食品群の摂取重量および各栄養素の摂取量に対する各食品群の寄与率をもとに,その他の野菜,乳製品を追加することとした。栄養素等摂取量は,簡易型自記式食事歴法質問票を用いて調べた。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で推定平均必要量が定められている14の栄養素について,必要量を満たす確率およびそれらの平均を算出した。DVS,MDVSと各指標との相関分析および相関係数の差の検定を行った。</p><p>結果 MDVSとたんぱく質エネルギー比率,脂質エネルギー比率,食物繊維,カリウム摂取量,改良版食事バランスガイド遵守得点との有意な正の関連がみられ(偏相関係数の範囲(r)=0.21-0.45),炭水化物エネルギー比率との有意な負の関連がみられた(r=−0.32)。また,MDVSと14の栄養素の必要量を満たす確率の平均との有意な正の関連がみられた(r=0.41)。これらの関連の程度はDVSとMDVSで同程度であり,相関係数の差は有意ではなかった。</p><p>結論 栄養素摂取量や食事の質との関連からみた妥当性はDVSとMDVSで同程度であった。DVSの改訂にあたっては全国の大規模集団を対象に精度の高い食事調査を用いたさらなる研究が必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ