急性大動脈解離Stanford B型に対する外科的開窓術の術中にICG蛍光法で腸管血流を評価した一例

DOI
  • 池松 真人
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 内田 敬二
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 安田 章沢
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 長 知樹
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 小林 由幸
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 松本 淳
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Surgical Aortic Fenestration for Type B Acute Aortic Dissection with Visceral Malperfusion: Usefulness of Intra-operative Indocyanine Green Fluorescence Imaging

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抄録

<p>臓器血流障害を伴う急性大動脈解離Stanford B型(TBAAD)に対する開窓術は血管内開窓術と外科的開窓術がある.外科的開窓術は直視下に腸管を評価できる点が有用で,今回術中ICG蛍光法で腸管血流改善を確認した症例を経験した.症例は70歳男性で来院3日前に腹痛・腰痛を発症し大動脈解離の診断で当院に転院搬送された.造影CTでdynamic obstructionによる腹腔動脈,上腸間膜動脈のmalperfusionが疑われた.ほぼ全ての肋間動脈は偽腔から起始しており,TEVARによるentry閉鎖では偽腔血栓化により脊髄梗塞を起こす可能性があったため,外科的開窓術を行った.腸管は色調が不良でICGの取り込み低下を認めたが,開窓術後に改善した.ICG蛍光法を大動脈解離のmalperfusionに対し使用した報告は検索し得た限り過去にない.外科的開窓術は直視下にその治療効果を術中に確認できICG蛍光法の併用でより確実な血流評価が可能であった.</p>

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