関節リウマチにおけるIntereleukin-6が及ぼす破骨細胞,骨芽細胞,骨細胞への影響

DOI
  • 竹内 勤
    慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科
  • 吉田 広人
    中外製薬株式会社 プロダクトリサーチ部
  • 田中 栄
    東京大学大学院医学系研究科 整形外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Role of Interleukin-6 on Osteoclasts, Osteoblasts and Osteocytes in Rheumatoid Arthritis

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抄録

<p> 関節リウマチ(RA)は,進行性の骨と関節の破壊につながる日常診療で遭遇する炎症性関節炎の一つである.進行性の骨破壊を伴うRA患者は生活の質の低下が加速するため,疾患の進行と骨破壊の抑制が重要な臨床目標になっている.RAの骨破壊においては骨関連細胞とTNF-αやInterleukin-6(IL-6)などの炎症性サイトカインが密接に関与しており,炎症性サイトカインを標的とする薬剤治療によって骨破壊を抑制できることがわかっている.特に最近の研究では,IL-6を標的とする薬物であるtocilizumabの介入によって骨や関節の破壊の抑制に加えて骨の修復をもたらすことも報告され,これらの結果は新しい治療目標の可能性を示唆している.IL-6と骨との関係については,破骨細胞に関する多くの研究が長年にわたって報告されているが,近年IL-6と骨芽細胞および骨細胞との関係についても研究が進んできている.本稿では,in vitro研究やin vivo研究などの基礎研究および臨床研究の視点でIL-6と骨関連細胞との関係をまとめ,RA治療におけるIL-6シグナル抑制の可能性を骨の観点から概説する.</p>

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 34 (2), 87-96, 2022

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

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