全頸部郭清後に生じた片側乳糜胸に対する保存治療を行った1例

DOI Web Site 参考文献17件 オープンアクセス
  • 後藤 雄一
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座顎顔面疾患制御学分野
  • 今村 晴幸
    鹿児島県立大島病院歯科口腔外科
  • 坂元 亮一
    慈愛会今村総合病院歯科口腔外科
  • 内野 祥徳
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座顎顔面疾患制御学分野
  • 比地岡 浩志
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座顎顔面疾患制御学分野
  • 杉浦 剛
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科顎顔面機能再建学講座顎顔面疾患制御学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Conservative treatment of unilateral chylothorax developed after radical neck dissection: A case report

この論文をさがす

抄録

症例:60歳代女性。初診時,左側下顎歯肉に周囲わずかに硬結を伴う25×30mm程の潰瘍形成を認めた。画像検査および病理組織学的検索により,左側下顎歯肉扁平上皮癌(cT2N2bM0)と診断した。全身麻酔下に保存的左側全頸部郭清術および左側下顎辺縁切除術を行った。術中,静脈角付近に直径5mm程度の脈管を認め,絹糸にて結紮した。術翌日より経鼻栄養を開始した。持続吸引装置の排液は淡血性であり,1日量は徐々に漸減した(術翌日:228ml,2日目:49ml,3日目:24ml)。術後2日目夜より徐々に呼吸苦を認め,術後3日目の胸部X線撮影にて,左側肺の不透過性亢進,横隔膜角の鈍化および縦隔の偏位を認めた。呼吸器内科受診し,左側胸腔ドレナージを施行。ドレーンより乳白色の胸水を多量に認めた。左側乳糜胸と診断。3日間の絶食と末梢静脈栄養を行った後,脂肪をほぼ含まない成分栄養剤を2週間経口投与した。ドレーンは12日間留置した。この間,胸腔ドレーンからの排液増加はほぼ認めなかった。胸腔ドレナージ後,呼吸苦および乳糜胸水は著明に改善した。

収録刊行物

参考文献 (17)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ