インド農村地域における内発的発展の特徴 : ドリシュティ社の場のマネジメントを踏まえて

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タイトル別名
  • Characteristics of endogenous development in rural lndia : Based on Drishtee's Management of “Ba”

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説明

本稿では,インド農村を地域として捉え,内発的発展論に「場のマネジメント」の概念を組み込むことにより,その地域の内発的発展のあり方を明らかにし,インド農村の内発的発展の特徴を提示することを目的とする。現在インドは,経済成長を続けているものの,未だに数多くの社会的問題を抱えている。その問題の一つに農村・都市間の経済的格差があり,農村の貧困率は都市に比べて高い。内発的発展論は,近代の経済成長を補完する形で登場した地域の発展のあり方を問う開発理論であり,1970年代以降,鶴見,宮本を中心に議論が展開されてきた。また,「場のマネジメント」とは,伊丹によって提唱された「組織の中にさまざまな場を生み出し,それらの場を機能させていくことによって組織を経営しようとするマネジメントのあり方」を意味する概念である。本稿では,インドにおける農村開発の先進企業とされる「ドリシュティ社」を事例とし,同社の農村ビジネスによるインフォーマルな「ヨコの相互作用」の実態を「場のマネジメント」の概念から捉え,農村地域の内発的発展の特徴を分析した。この分析を通して,同社で働く地域人材としての農村スタッフである「モビライザー」が,「キー・パーソン」となり,農村内の「場」を土着の社会から生成し,つなぎ,活性化させる一連のマネジメントを通じて,内発的発展を促している点を明らかにした。

収録刊行物

  • 公共政策志林

    公共政策志林 10 140-154, 2022-03-24

    法政大学公共政策研究科『公共政策志林』編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012081167216384
  • NII書誌ID
    AA12714757
  • DOI
    10.15002/00025655
  • HANDLE
    10114/00025655
  • ISSN
    21875790
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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