経カテーテル的動脈塞栓術とその後の集学的治療により救命し得た出血性胃潰瘍による心肺停止の1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Cardiopulmonary Arrest Due to a Hemorrhagic Gastric Ulcer That Could Be Saved by Transcatheter Arterial Embolization and Subsequent Multidisciplinary Treatment
  • ケイ カテーテルテキ ドウミャク ソクセンジュツ ト ソノゴ ノ シュウガクテキ チリョウ ニ ヨリ キュウメイ シエタ シュッケツセイ イカイヨウ ニ ヨル シンハイ テイシ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は68 歳,男性。出血性胃潰瘍で入院歴があったが,胃酸分泌抑制薬の内服やピロリ菌除菌は拒否されていた。大量吐血し当院へ救急搬送された。来院直後に心肺停止状態に陥ったが,蘇生処置により自己心拍再開が得られ,緊急血管造影を施行した。固有肝動脈に動脈瘤が形成されており,術中に大量の血管外漏出像が確認できた。シアノアクリレート系薬剤(n-butyl-2-cyanoacrylate:NBCA)で動脈瘤と固有肝動脈を塞栓した。以後,再出血は認められず,側副血行路の発達により肝臓内の動脈血流も保たれていたが,胃角部から幽門にかけて変形が強く,経口摂取が不良であった。気腫性膀胱炎,腎盂腎炎,肝膿瘍を発症したが,抗生物質投与とドレナージで軽快した。後日,腹腔鏡下胃空腸バイパス術を施行した。術後経過は良好であり,ピロリ菌除菌は施行できた。固有肝動脈に動脈瘤が形成され,それが胃潰瘍出血の原因となった報告例は極めてまれであり,文献的考察を加えて報告する。</p>

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