集中内観中に自殺企図に至った躁うつ病患者の一例
書誌事項
- タイトル別名
-
- A case of a depressed patient who attempted suicide during intensive Naikan
説明
<p> 症例は33歳、男性。仕事の負荷の増加を契機に抑うつ症状が顕著となった。希死念慮が強まり、排気ガスによる自殺を計画したが思いとどまり当科に入院した。薬物療法によるうつ病治療を行うも寛解せず、入院1ヵ月後に集中内観を導入した。しかし、内観初日の夜間に大量服薬による自殺企図に至った。その要因として、内観導入時の抑うつ症状の残存と内観への動機づけの乏しさ、さらには治療者の柔軟性の欠ける態度も影響したと思われた。抑うつ状態を呈する患者の内観では抑うつ症状の評価を行うとともに、生活史や家族背景、性格傾向、併存する精神疾患などを総合的に把握し、自殺の危険性を十分に検討するべきである。治療者は性急な導入をさけ、抑うつ症状が比較的安定し、動機づけの兆しがあるまでは忍耐強く支持的なサポートを続けることが必要と思われた。</p>
収録刊行物
-
- 内観研究
-
内観研究 14 (1), 59-66, 2008-04-15
日本内観学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390012114415578752
-
- ISSN
- 2435922X
- 2432499X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可