信用金庫における預貸利鞘の決定要因
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- 品田 雄志
- 信金中央金庫 地域・中小企業研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Determining Factors in Shinkin Bank Loan-Deposit Interest Margins
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説明
信用金庫は、相互扶助を経営理念とする、非営利の協同組織金融機関である。本稿では、信用金庫の預貸利鞘の決定要因について検証するため、1998年から2018年までの21年間のデータを使用した。当該期間は、預貸利鞘がほぼ一貫して低下していた時期にあたる。分析にあたっては、固定効果モデルを用いた。 主要な結論は、次の2点である。1点目は、分析期間中において、経費率の低下、長短金利差の縮小の順で預貸利鞘の低下に寄与していた。このうち、経費率の低下は、信用金庫の経営努力の成果であるといえる。長短金利差の縮小は、当該時期の日銀の金融緩和政策が影響している。 2点目は、信用金庫における相互扶助性が預貸利鞘の低下に寄与していることである。これは、相互扶助性の代理変数として内部留保を説明変数に入れることで計測された。協同組織金融機関である信用金庫は、銀行と異なり内部留保が無コストであることから、より低い預貸利鞘を許容する。言い換えるなら、内部留保の蓄積を通じて、世代間で相互扶助が成立している。
収録刊行物
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- 生活経済学研究
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生活経済学研究 55 (0), 63-78, 2022
生活経済学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390012114415846144
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- ISSN
- 24241288
- 13417347
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可