加速度計評価に基づく座位行動および身体活動と非アルコール性脂肪肝疾患との量反応関係―Alimentary Pharmacology and Therapeuticsに掲載された英語論文の日本語による二次出版―

DOI
  • Tsunoda Kenji
    Faculty of Social Welfare, Yamaguchi Prefectural University Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare
  • Kitano Naruki
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare
  • Kai Yuko
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare
  • Jindo Takashi
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba
  • Uchida Ken
    Meiji Yasuda Shinjuku Medical Center
  • Arao Takashi
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare

Description

背景:加速度計で評価した座位行動および身体活動と非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)との関連はいくつかの研究で確認されているが,身体活動の強度や,各行動時間の相互依存関係を考慮した検討は行われていない。 目的:横断データに基づき,加速度計で評価した座位行動および身体活動とNAFLDとの量反応関係を3次スプライン解析で検証する。また,24時間における各行動の共依存関係を組成データ解析(CoDA)により検証する。 方法:2017年5月から2020年2月に明治安田新宿健診センターで定期健康診断を受け,アルコール多量飲酒に該当しない1914名を対象とした。座位行動,低強度活動,中高強度活動は3軸加速度計を用いて評 価した。脂肪肝の判定には超音波検査を用いた。 結果:ロジスティック回帰分析において,中高強度活動は,NAFLDと負の関連を認めた(600 MET- 分 /週当たりの OR = 0.85,95%CI = 0.76–0.96)。また,3次スプライン解析において,中高強度活動が約 1800 MET- 分/週に達するまでNAFLDに対するオッズが大幅に低下し,その後のオッズの低下は緩やかになることがわかった。座位行動は,BMI未調整モデルではNAFLDと有意に関連したが,BMI調整後モデルでは有意な関連を認めなかった。CoDAによるisotemporal substitutionでは,1日の座位行動を60分減らし,中高強度活動に充てた場合,NAFLDに対するオッズが22%低下し(OR = 0.78,95%CI = 0.65–0.93),逆に中高強度活動60分を座位行動に充てた場合,NAFLDに対するオッズが69%増加することがわかった(OR = 1.69,95%CI = 1.12–2.38)。 結論:NAFLDに対して中高強度活動が負の量反応関係を示したことから,中高強度活動の実践がNAFLDの予防における主眼となることが示唆された。

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