全周性高度僧帽弁輪石灰化を伴う僧帽弁狭窄症に対して石灰化弁輪温存下弁置換術を施行した1例

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  • Mitral Valve Replacement while Preserving Calcified Annulus in Severe Mitral Annular Calcification

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抄録

<p>症例は70歳女性.8年前より糖尿病性腎症で維持透析を導入されていた.透析中の血圧低下,頻脈,胸背部痛を主訴に当院受診.経胸壁心臓エコーで重症の僧帽弁狭窄症を認めたため手術の方針となった.僧帽弁を観察すると全周性の僧帽弁輪石灰化(Mitral annular calcification: MAC)を認め,さらに後尖は石灰化で一塊となって可動性を認めなかった.石灰化切除による左室破裂を避けるため弁尖のみを切除し,石灰化弁輪を温存してOn-X大動脈弁用19 mmによる弁置換を施行した.経過は良好で術後29日目に独歩退院となった.高度僧帽弁輪石灰化を有する症例は,左室破裂・冠状動脈損傷などの重大な合併症を引き起こす可能性がある.本症例では僧帽弁弁尖のみを切除し,石灰化弁輪を温存,かつ小口径の機械弁を用いて弁置換を施行し,良好な結果が得られたので報告する.</p>

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