微小試料に適合した超高感度質量分析法の開発と一細胞分析への応用

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  • 川井 隆之
    九州大学大学院理学研究院化学部門 理化学研究所生命機能科学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of ultra-sensitive mass spectrometry techniques and its application to single cell analysis

説明

<p>複雑な生命システムを理解するためには,その最小単位である細胞一個から解析可能な超高感度かつ網羅的な分析法が必要である.このためには,生体試料の網羅解析に適した質量分析の高感度化は極めて重要な課題である.そこでまず,MSの前段でキャピラリー電気泳動による生体分子の分離を行い,イオンサプレッションを回避することを着想した.試料ロスを避けるための新規オンライン試料濃縮法や高効率イオン化プローブを開発することで,サブamolレベルの感度を実現し,単一HeLa細胞のメタボローム分析を世界で初めて実現した.またインフュージョン分析であっても,単一細胞の細胞質のみを採取してそこに含まれる薬剤を解析することで,細胞内濃度や細胞膜浸透性を正確に評価できることを示した.超高感度質量分析技術は未だ発展途上であるが,今後基礎的な生命科学研究から創薬応用研究に至るまで幅広く利用されるものと期待される.</p>

収録刊行物

  • 電気泳動

    電気泳動 66 (1), 19-22, 2022

    日本電気泳動学会

参考文献 (6)*注記

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