デュピルマブ投与中に好酸球性肺炎を発症した1例

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  • A Case of Eosinophilic Pneumonia in a Patient Receiving Dupilumab Therapy

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抄録

<p>背景.デュピルマブはヒト化抗インターロイキン(interleukin;IL)-4受容体α鎖モノクローナル抗体であり,アトピー性皮膚炎,気管支喘息,鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対する治療に広く使用されている.症例.72歳女性.鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対するデュピルマブの投与開始から約7か月後に,咳嗽,呼吸困難,食欲不振を主訴に当院を受診した.血液検査で炎症反応の上昇を認め,胸部CTで肺野に浸潤影が見られたことから,まずは細菌性肺炎の可能性を考慮して抗菌薬を投与したが,無効であった.気管支鏡検査を実施したところ,気管支肺胞洗浄液中の細胞分画で好酸球割合が76%と著明に上昇しており,好酸球性肺炎と診断した.デュピルマブが好酸球性肺炎発症の契機になった可能性が考えられ,デュピルマブ中止とステロイド投与により軽快した.結論.デュピルマブ投与中は,原疾患の病勢だけでなく好酸球性肺炎の発症に注意しながら,慎重に治療を進める必要があると考える.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 44 (5), 377-382, 2022-09-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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