アブレーション焼灼病変形成における対極板貼付位置の影響:対外モデルを用いた検討

  • 山嵜 継敬
    医療法人社団一成会たちばな台クリニック循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • The Effect of Dispersive Electrode Position on Radiofrequency Ablation Lesion Formation

抄録

<p>高周波カテーテルアブレーションは,体表面に貼付した対極板と心筋に接したアブレーションカテーテル電極間で高周波通電を行うことにより治療効果を得ることができる.高周波通電による焼灼病変形成には出力,通電時間,コンタクトフォースなどが影響を与えることが知られているが,電流のベクトル方向が通電効果に与える影響を検討した報告は少ない.そこで,今回われわれは対極板の位置による電流ベクトルの変化が焼灼病変形成に与える影響を,対外モデルを用いて検討した.食塩水を満たした実験用水槽に,牛肉切片,対極板,サーモヒーター付き水流ポンプを設置し,還流させた食塩水の温度を37℃に保持するよう設定した.コンタクトフォースアブレーションカテーテルを使用し,出力50W,コンタクトフォース10gで20秒間牛肉切片に高周波通電を行い,対極板をカテーテル先端方向もしくはカテーテル先端と逆方向に配置した場合における焼灼病変サイズを評価した.焼灼病変のサイズは対極板をカテーテル先端方向に配置した際に,有意に深い焼灼病変を得ることができた(4.3±0.5mm vs 2.9±0.4mm,p=0.01).また対極板位置の違いにより,焼灼病変の幅(5.9±0.8mm vs 5.6±0.7mm,p値=0.32)やインピーダンスドロップ(20±11Ω vs 19±9.3Ω,p値=0.40),パーセントインピーダンスドロップ(14.7±7.0% vs 15.5±7.0%,p値=0.34)には有意差を認めなかった.本研究により,対極板の貼付位置は焼灼病変形成,特に深度に影響を与える可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 42 (3), 149-154, 2022-09-30

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (14)*注記

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