〔自著を語る〕『経営管理システムをデザインする ―中小企業における管理会計実践の分析―』 を執筆して

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Tobita, T. 2021. Designing Management Control Systems: An Analysis of Management Accounting Practice in SMEs

抄録

<p> 本稿は,筆者が2021年5月に上梓した著書『経営管理システムをデザインする―中小企 業における管理会計実践の分析―』(中央経済社刊。以下,本書と略記する)の概略を述べるとともに, そこから明らかになった研究課題を示すものである。</p><p> 本書では中小企業における管理会計実践を明らかにするために,「デザイン」,とりわけ情報デザイン に関する議論を基礎として,経営管理システム(Management Control System:以下,MCSと略記する) やMCSを主として構成する管理会計システムがいかにして経営者によって設計されるかという視点を 導入することとした。とりわけ,経営者と組織成員との間にある概念ギャップを埋めるために,MCS や管理会計システムがどのように機能しているのかを明らかにしようとした。</p><p> 以上から,MCSのデザインは経営者が市場での競争状況や企業内部での進捗状況を把握するだけで なく,そのデザインによって経営者が見えたものを経営者自身がどのように認識するのかという意味で 経営者の思考に大きく影響を及ぼす可能性があることを示唆した。また,今後の研究課題として,MCS が持つフィードバック機能は中長期的な企業の存続可能性,企業経営者の思考に影響を与える可能性が あり得るとともに,MCSが経営者(創業者あるいは事業承継者)の企業家精神(Entrepreneurship)に 影響を及ぼし,新規事業開発や次期以降の戦略,計画に影響を及ぼす可能性があるためさらなる調査研 究の必要性を示唆している。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012235941209216
  • DOI
    10.34576/jarsmes.2022.8_32
  • ISSN
    24358789
    2189650X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ