九州北部における外来アリ類の侵入状況解明と在来生物群集に及ぼす影響評価 ―九州北部外来アリ研究グループ―

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タイトル別名
  • Distributional expansion of exotic ants and its effects on native ant communities in northern Kyushu ―Northern Kyushu Exotic Ants Research Group―

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説明

<p>近年の物流発展によって本来の分布域を超えて生物が移動する外来種問題が起こっている.その中でも船舶を介したと思われる外来種の侵入未遂例は多く,九州北部においては特定外来生物のヒアリなどが博多港から確認されている.博多港は周辺離島への発着点となっており,壱岐や対馬,五島へフェリーを介して人や物の移動が頻繁に起こっている.本研究では,外来アリの内陸部における分布状況と在来アリ群集に及ぼす影響を明らかにした.九州北部の主要な10箇所の港において,港湾地域から内陸部の各地点でアリ類の調査を行ない,小規模な 6箇所の港では港湾地域のみで調査を行なった.ツナと蜂蜜を用いたベイトトラップによって,各地点で優占的なアリ種を明らかにした.現在までのところ,27種66,865個体のアリがベイトトラップ調査によって確認された.外来アリであるインドオオズアリは出現頻度では3番目に多く,個体数では 2番目に多いことから,港湾地域周辺において優占的なアリとなっていることが示唆された.一方,内陸部においては,周囲に田畑や森などが近接する地域では外来アリは少なくなり,在来アリの方が出現頻度も個体数も増加する傾向が見られた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390012269027800448
  • DOI
    10.32215/pronatura.31.0_30
  • ISSN
    21897727
    24320943
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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